映像演出 松宏彰氏 インタビュー

 

普段はどんなこと(お仕事)をされていますか?

本職としてはCMやウェブムービーの企画・演出をやっています。
・・・のはずなんですがテレビアニメを演出したり、リアル脱出ゲーム用のアニメ作ったり、女の子を巨大化させたり(特撮)もしています。

基本的にはジャンルにハマってなくて「これ、どういう人に相談したらいいんだろう?」っていう案件が多いです。


 

どういった経緯でこのプロジェクトに参加しましたか?

ある日、facebookに『妖怪研究家としての活動も再開しようと思います』と書いたところ、浅生鴨さんからメッセンジャーが飛んできました。
多分、怪電波が届いたのかな、と思います。
もちろん、ナマハゲを妖怪と呼ぶわけにはいきませんが、古来から育まれてきた日本の精神文化を紐解き、海外に発信していくプロジェクトに強く惹かれ参加しました。

また、デジタルシャーマンプロジェクトなど、「あの世」と「この世」、バーチャルとリアルの狭間をみつめる作品を生み出している市原えつこさんの「妖怪的」な存在感に興味があったのも大きな理由です。

 


このプロジェクトにおけるあなたの役割を教えてください。

職種としては「映像演出」です。
ナマハゲという「人ならざる存在」を既存のイメージを超えたものにするため、市原さんや浅生さんのアイデアに肉付けしていきます。
いや、「人ならざる存在」ですから、「肉付け」じゃなく「魂」や「魄」や「気」をまとわせる作業かもしれません。

あまり他にないタイプの試みだけに完成に至るプロセスも重要だと思っていて、自分でカメラを回してみたり、予想外の化学反応が起こりそうな人を巻き込んでみたりと、普段のクライアントワークとは異なった制作手法をとるよう心がけています。

 

 
2-2.jpg
 

 

最初にこのプロジェクトの概要を聞いたときどう思いましたか?

まず「ナマハゲ」という題材がとてつもなく面白いのに加え、とにかくありえないくらい奇妙で才能ある方々が集結した座組みにときめきました。
「いったいどうなるんだろう?」上がりが見えない面白さを凄く感じました。


 

このプロジェクトに関わる前のナマハゲのイメージを教えてください。

私は大学で文化人類学や民俗学を学んでおり、社会に出てからも妖怪関連のお仕事をしていたので、一般平均よりはナマハゲについて知っていたかもしれません。
トシドンやアマメハギなど、ナマハゲと共通する特徴をもった来訪神が全国に存在することなど・・・・
けれどもナマハゲが地域社会で担う役割までは、それほど知らなかったのが事実です。


 

最後にひとこと

今回のプロジェクトで特に驚いたのが、男鹿半島におけるナマハゲの多様さです。
男鹿だけで地域ごと60種以上のナマハゲがいるなんて!!
しかも金と銀のナマハゲやら、木の皮を被ったナマハゲやら、ここはホントに日本か!?っていう奇異さに溢れているんです。
けれどきっと、これこそが他地域では失われつつある日本古来の感覚なのでしょう。
陸の行き止まりであり、文化の上書きが起こりにくい「半島」だからこそ、今も生き生きと、古来のカミたちが活躍できるに違いありません。
今回のプロジェクトは海外に向けての発信ではあるのですが、日本古来の、炸裂するようなバイタリティをもった精神文化を、日本人が再発見するきっかけにもなればいいなと考えています。

 
topicsMatsuri ReDesign